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飛ばせない広告を待つ五秒
崩せないタスクが待つ御中
御使いイベントの道中でも
予定が壊れるのを待ってる


デパートの通路の奥にハンドバック達
デジタルの代名詞x=appleを耐久して
夕方のレジスターカゴに発泡酒の群れ
ターミナルでは昨日と同じ血液型の話


サブスクリプションの未来
赤色の無い信号を飛ばして
僕らはラスボスと対峙して
理想が訪れるのを待ってる


デパートの通路の奥には増えるトイレ
ロボットは賢く人間を雇ってください
夕方のレジスターは注射針を常備して
ターミナルでは昨日と同じ血液型の話

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この作品は歌詞と散文と注釈から成り立ちます。

[A]
大嘘ばかりを集めた街の明かりという明かりが
僕ら[1]の頭上と地下とを埋め尽くして
まるで過去と未来も救われた気になった日に
ただ毎日話しを聴くだけだったロボット[2]が
歌を覚えて子は皆一緒に歌い大人皆憂いを抱いて
一人一つずつだと言いながら
何年かに一度の紙を燃やしたので
祈り子とその祈られた命が少しだけ身体を震わせました

[1]僕ら
小林ケイとその周囲の人々。特に研究室の先輩である水原イノリ。
彼らは今、反乱組織の首謀者達として、政府軍に追われている。
[2]ロボット
人の代わりに何らかの動作を行う機械のこと。ここではPrayerのことを指す。
Prayerは人の言語的機能を深層学習させたインターフェイスを持つ。
当初は単純な受け答えや、予め用意された回答を示すのみであったが、
次第に明確な倫理、論理を構成するに至り、2018年、チューリングテストに合格した。

[透明な羽衣]
透明な羽衣で着飾った
リンゴの信者[4]が良いそうなことだ
だったら君のその
いきり立った正義で
救っておくれよ
この星のことを
この街のことを
この僕のことを

[4]リンゴの信者
原始幸福党の党員。リンゴの呼び名はアダムとイブの逸話をモチーフとしている。
党是は統一民族で国家を維持する為に子を増やそうというもの。
現実的な方法がない状態ではあるが、例年支持者を増やし、2102年に与党となった。

[サビ]
スタープレイヤーイズデッド

[天使の降る部屋]
滲む光に混ざって形を無くす部屋
僕は、目を背けながら
言葉を無くして 好きな音楽[5]を聴いてる

[5]好きな音楽
小林ケイは音楽家であった父親の影響で20世紀後期の日本の曲が好きだ。
渋谷系と呼ばれる当時の新しいロックサウンドは、一時期研究室で流行った。

[B]
大多数にとっての真実[6]がたまに僕たちに牙を向くように
幾重にも広がった結末に点を穿つことが
そもそも間違いだと気づくのが遅かった
僕はただ祈ることを引き換えにするしかなかった

[6]大多数にとっての真実
22世紀の中頃には、あらゆる統計的判断を鑑みながら、多国籍間で決議をこなすのに、
もはやマンパワーは役者不足だった。
最初に形式化されたのは議論だった。
主張論理と言語形式は分離され、正しい議論の形が、それまでの議論に取って代わられた。

[この星の最後に]
ねえ君はヒーローになってよ
この声を聞く君のことだよ
ねえ君はヒーローになってよ
救えなかった僕の代わりに

[サビ]
スタープレイヤーイズデッド[7]

[7]
2152年、国制機の誤作動により、東アジア連盟は未曾有の混乱に陥った。
主謀者の小林ケイらは依然逃走を続けているが、意識不明となった実行グループの女性の身柄を確保している。
なお、この事件を受けて機械判事への信頼が大きく揺らいでいることから、
女性の今後の扱いの見通しは立っていない。

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口々に囃し立てる不在のカースト
少しだけ笑って見えた秘密のダンスと

無色透明な君のことだよ
一緒になって泳いだ檻の中

今でも君とみた光景に
胸の奥の方を掴まれて
近く煌めいた透明に
つい手を竦めたんだ

在り来たりを敢えて切る有罪の感情論
足りないと泣いて喚く有形のPhantomと

無色透明なのは僕もそうだよ
離れて暮らした檻の中

今でも夏とその亡霊に
通り過ぎた日をまだ掴まれて
遠く滲んだ光景に
つい手を伸ばしてしまうんだ

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わるいねこ

酷い人間は居るものだ
何処にだって君の家にだって
ティッシュで包んで丸めてポイ
虫とオモチャの区別もつかない

手を噛む癖が治らないのは
纏わり付いた生暖かさに
多分何にも味がしないから

わるいねこは何処かへ消えて
真っ白で 空白で
突然で 悪戯で
今日も街を駆けていく

酷い人間がいたものだ
何時だって夢の中でさえ
言葉で脅して無視してポイ
虫とオモチャの区別がつかない

いつしか群れに憧れるのは
纏わり付いた冷たさに
多分何にも味がしないから

わるいねこは此処にはいない
真っ黒で 許されず
必然で 貪欲で
今日も生ゴミで生きて行く

わるいねこは何処かへ消えて
真っ白で 空白で
突然で 悪戯で
今日も此岸で生きて行く

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そのパリティは漏れ出した
この存在は マトモか
有るか 無いか
寓話の猫を類して思う

海に浮かんだ雲の様に
伽藍の外で立ち止まる
この錆びた呼吸は
いつしか消えてしまう

何処へも行かないことは
悪くない気分だ
何処へも行けないことが
善いとするならば

何時も同じに見える雲や有象も
青の無象に塗れて替えられていく

このパリティは漏れ出した
この存在は 虚ろか
有るか 無いか
君の曲で温んで思う

夜に消えた花火の様に
記憶の君を思い出しても
この錆びたメモリは
いつしかショートしてしまう

君を思い出すのは
悪くない気分だ
君を失うことが
善いとするならば

何時も同じに変わる蝶や有象に
私の無象も加えてみようと思う

このパリティを飛び越えて
私の声と 君への歌は
有るか 無いか
定義の隙間を縫って泳ぐ

変わっていくことは
悪くない気分だ
君や私や歌や曲が
変わらないでいれるなら

何時も同じに笑う君や有象に
私の無象も溢れて欲しくて

このパリティを塗り替えよう
嘘も含め 君への愛も
有るか 無いか
存在しない声で歌う

伽藍の蝶 錆びたメモリ
夜の花火 海の雲
消える呼吸 君の曲
全て本物だったよ と

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適わぬ此岸[詩]

ビルの隙間を縫って泳ぐ生き物
浮き輪じゃ あそこに届かない
白む人を見下ろす場所まで

雪解けぬ夏
解けた糸
最期に夢を見るのは誰?

月見えぬ夜に手を繋ぐ生き物
連れ立つ温度じゃ 日は昇らない
逸れた君を連れ出す夜明けも

生温い人形
手錠の熱
本当の夢を見たのは誰?

適わぬ此岸よ
あらぬ夢など
映してくれるな
届かぬ彼岸に
熱を撃つまで

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[詩]ナマズ型の血液

青いパイロン 歩道の湖を
天気予報も知らず 帰っていました

苔むした路地に差し掛かった時
大きなナメコにひかれました

聞くほど痛くなかったけど
たくさん血が出ました
普通の血では足りなくて
たくさん分けてもらいました

ナマズが血の中を泳ぎまわって
ヒゲで居場所を静かに探す

昼の間は首の周りに居座って
この身体の中で大きくなるんだ

ナマズが血の中を泳いでいるのに
何処にいるかは誰も知らない

夜になると心臓に合わせて跳ねる
身体の半分を食いやぶって出てくるんだ

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[詩]インフェリア

左脳が止める
支配さる言葉
これぐらいの鎖でも
くたびれる今でも
外に出れるとしても

吹き替えた敗北の味を
未だ見ぬエンドロールにとどめたまんま
有りもしないトロフィーに賞賛を送る

本当は知ってるんだ
見えない顔の誰かも同じ
生憎僕ら冷徹すぎて
愛する痛みも分けられないけど

オリジナルのゆるい音を
見飽きた主人公にとどめたまんま
実際の書類に恨みを込める

涙で錆びた鎖を解いて
還らぬ時間に命は惜しい
右脳が語る
支配する言葉

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[韻詩]妖しの韻
ワンタッチで届く人達
ツータッチで届け式神
スリータッチバッチリ
ガッチリ決めて俺たち

妾の呪詛 今じゃ現象
3Gで出動 魂狩りの勤労
昔じゃ精々1,2人
今じゃ線路で待ってりゃ4,5人

楽になって生きてるぜ 妾ら
天国なんて言ってるぜ あいつら
もっと苦しめ憎しめ驚け
この世の非実在ばりの実在!

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[詩]コード

A-side
ネジ巻き時計みたいな暗号
指の隙間から溢れるキー
中途半端な言葉の裏に
崩壊の夜は近いと悟る

サンプルの精度は良好
狙いをつけて 呼吸をとめて
朝と夜の境目に
見つけられない鏡を探る

リードオンリー
何処までも届かないエスオーエス
夢から醒めた方がマシかな?
でも忘れたくない セーブしてくれ

B-side
一度逃せば再現不可能
薬指には傀儡の証
中途半端な気持ちの裏に
夜の崩壊は近いと悟る

送り届けたフェイクは順調
見つからないように 呼吸を止めて
夢と今の境目に
都合のいい幻を探る

アクセスリジェクト
恐怖で歪むエスオーエス
今なら少しはマシかも?
いや思い出したくない 削除してくれ

C-side
君らのコードはずっと聞こえてる
僕が返事をしないだけで
コミュニケーションの障害だから
でもたった一つだけ記憶してくれ
こんな僕でも憎んでいたよ と